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【日記本】日記集『花冷』

¥1,000 税込

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『日記集『花冷』』ものすごい愛と杉山ハウスによる共著

ものすごい愛さんと夫さん、杉山ハウスさんとスガワラさんの掛け合いが非常に面白く、勝手知ったるお家を行き来するやり取りは、なんだか懐かしさを感じました。
私もこういうやりとりを近所でできたらなと思いながら読むこの日記本は止め時が全くわからず、誰かがふらっときて、ふらっと帰る感じはやはり良さがあります。
日記本はよくあるのは一人の方が書いていくのが一般的ではありますが、お二方なので、視点や、やること、興味がガラッと変わり、その切り替わる様も楽しめる日記本だと思います。
読みやすい文庫サイズなので、3作のどれか一冊はバッグに忍ばせておきたいですね。
是非、お手元に一冊置いてみてはいかがでしょうか?

4月9日(日)
最悪な目覚めだった。3時半頃宿に着いたスガワラが、部屋の窓を開け放ったまま眠りについていたのだ。どうやら窓がロックされ、閉め方がわからなくなったらしい。ほとんどゴールデン街と呼ばれるような立地のホテルにおいて、窓を開けたまま熟睡するにしては酒が足りていなかった。
浮かれた人々の声が断続的に響き、眠りについたかと思えば目が覚める。
5メートル離れた友人に話しかけるのに、どうして腹から声を出す必要がある。しかし、怒りの感情は騒ぎ立てる人々よりも、スガワラへ向けたもののほうが強かった。朝方になって窓を見てみると、観音開きの窓の、サッシと窓を繋ぐ「く」の字に折れ曲がる部材にロックがかかっていただけで、それを解除してやると造作もなく閉めることができた。それにしても、歌舞伎町は夜中の4時よりも8時のほうが静かだった。朝になると、カラスが鳴いていた。

今日は日記屋 月日で行われる日記祭の日だった。10時にものすごい愛と下北沢で待ち合わせ、日記屋月日に向かった。昨日までの暴天が嘘のように晴れ、長袖のTシャツでも暑いくらいだった。日記祭に参加するのは初めてだったが、あまりの盛況に驚いた。入口付近では茶川賞作家の滝口悠生さんも日記を販売しており、数百部はあろうかという平積みされた日記集も、夕方頃にはすっかりきれいになくなっていた。かく言う僕もしっかり買ったので、帰りの飛行機で読もうと思う。

持ち込んだ日記集の売れ行きは、上々だった。人生で初めて身内以外の人にサインをし、既刊本の感想を貰った。嬉しくて大声で叫びたかった。
深夜の歌舞伎町であれば遠慮なく叫んでいただろう。福岡のキャバ嬢も、札幌のカメラマンの友達も、札幌の無職の友達も来てくれた。無職の友達は「差し入れ何がいい」と訪ねてくれたが、「無職に買ってもらう差し入れはない」と突っぱねると、「差し入れ断られたの初めてなんだけど」と憤慨していたので、思わず笑ってしまった。ただ、わざわざイベントに来てくれただけで嬉しいというのが本心である。好きな人に囲まれて生きるの、楽しいな。
日記祭は、文フリよりも肌に合っているなと感じた。落ち着いた雰囲気で、人の多さを感じさせない緩やかな空気が流れていた。また出店したい。

---版元より---

ものすごい愛と杉山ハウスによる共著。2023年4月の日記集。

季節の変わり目で生まれる卑屈さと億劫さ、それでも日々肌で感じられるあたたかさを、
北海道札幌市での春の暮らしを毎日欠かさず綴りました。日記集シリーズ『四季』の第3弾。

わたしたちの毎日を、あなたの暮らしと照らし合わせてみて。

※文庫版(A6サイズ)

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