-
【写真詩集 】東京
¥2,090
『東京』詩歌 MAI 、写真 Asako Ogawa ---版元より--- BOOKNERD PAPERBACK LIBRARY第二弾/ポケット写真詩集 『東京』 “そこは、わたしたちの街にはならない。わたしたちの街にならないそこは、これからもわたしたちの場所にはなりえない。わたしたちの街にならないそこは、これからもわたしたちの場所にはなりえず、わたしたちはそれにいくばくかの悲しみを覚える。(中略) わたしたちの街にならないそこは、これからもわたしたちの場所にはなりえず、わたしたちはそれにいくばくかの悲しみを覚えながらも、悲しいというその事実を決してないことにはせずに、その場所に根ざすあらゆることを反芻する。わたしたちはその場所を、東京と呼ぶ。” 「東京」 ここで言う東京とは、東京という場所とは、けっきょくのところこの国の状態に対する比喩であると思った。この国の、すべての富が、すべての貧しさが、すべての鷹揚さと放漫さが、すべての資本と、すべての物質主義が、人間のあくなき欲望と、人間の愚かさが、そのあたたかみと精神的な気高さが、すべての田舎とすべての都市が、「東京」という言葉に集約されるとき、わたしたちはこの街に何を見るのだろうか。 新潟県出身(現在は東京在住)のMAIさんとAsako Ogawaさんと出会ったのはつい最近のこと。少し前に新潟で二人が開催したという小さな展示を記念した小冊子を見せてもらった。 「東京」とタイトルが印刷されたその小冊子に書かれていた前述のMAIさんの言葉、そしてどこにでもあるようで、どこでもない東京の風景を切り取るAsakoさんの写真に痺れ、久しぶりに一緒に何かを作ってみたいと思った。 その後、新潟から上京した二人と共に遠隔でやり取りをしながら、「東京」をテーマに一冊の写真詩集を作るべく動き出した。 東京、と言葉にした時に溢れ落ちるもの。地方都市に住む人間から見た東京。そこで暮らす者から見える東京の現在位置。きっかけは数ページの小冊子だったものが、まるでバンドのように何度もジャムセッションを重ねる二人の若者によって、いつの間にか120ページ以上のボリュームに膨れ上がった。 何年も何十年も読み継がれるような、エバーグリーンな佇まいを讃えたポケット型の判型の写真詩集『東京』。東京に暮らす人も、東京以外で生きている人も、東京という街を想う時に去来する、郷愁に似た不思議な感情と、好きと嫌いが入り混じるアンビバレントな思いを、20代の二人が写真と文章で掬い上げる。 (判型:ペーパーバック(178×105mm)、表紙・本文(1c)・128ページ ) 著者について/ 詩歌 MAI 、写真 Asako Ogawaの二人組で、2021年より創作活動開始。出版物に小冊子『東京』、写真歌集『待つほうじゃなくて探しにいくほうをいきていきたい浜百合 片手に』。出版毎に展示を開催し、来てくださる方々との交流を楽しみにしている。 (2022年・BOOKNERD)
-
【詩】ポエトリー・ドッグス
¥1,680
『ポエトリー・ドッグス』斉藤 倫 透明書店さんのイベントで pha さんがご紹介されていて、僕も読みました。 この独特な雰囲気、BAR での出来事、バーテンダーは犬、詩を紹介してくれる。 というテイストが少しずつ進んでいく物語とともに至福を与えてくれます。 ---版元より--- 「このバーでは、詩を、お出ししているのです」 今夜も、いぬのマスターのおまかせで。詩人・斉藤倫がおくる、詩といまを生きる本。 『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』につづく、31篇の詩をめぐるストーリー。 「詩っていうのは、おもい出させようと、してくれてるのかもね。このじぶんだけが、じぶんじゃなかったかもしれないことを。このせかいだけが、せかいじゃなかったかもしれないことを」 T・S・エリオット 吉岡 実 ガートルード・スタイン アメリカ・インディアンの口承詩 萩原朔太郎 ボードレール 杉本真維子 宮沢賢治 石原吉郎 ウォレス・スティーヴンズ 石牟礼道子 アルチュール・ランボー ……ほか全31篇の詩をめぐる物語